当院における内視鏡検査について

当院では2020年7月発売の、8年ぶりのフルモデルチェンジとなるオリンパス社製の最新の内視鏡システムを導入しました。 「EVIS X1」はEDOF(Extended Depth of Field:被写界深度拡大技術)、RDI(Red Dichromatic Imaging:赤色光観察)、TXI(Texture and Color Enhancement Imaging:構造色彩強調機能)などの最新の機能が搭載されており、従来製品よりも病変の発見・診断の精度が向上しました。

同時に発売された経口用上部消化管ビデオスコープ「GIF-EZ1500」は従来のハイビジョン画像よりもさらに高画質となっており、Dual focusにより詳細な観察が可能です。

2020年3月に発売された経鼻用上部消化管ビデオスコープ「GIF-1200N」は先端部が従来製品よりも柔らかくなっており、鼻挿入時の痛み軽減ができます。

下部消化管ビデオスコープ(大腸用)「PCF-H290ZI」は従来製品ではありますが、最新のスコープよりも径が細く、ハイビジョン画像・拡大機能搭載・受動湾曲による挿入のしやすさ、と十分な機能がありますのでこちらを採用いたしました。32インチの4Kのモニターも新発売されましたので採用しました。大きく鮮明な画面です。

「病気を見つけやすく、検査をしやすく、時間を短く」 これらの内視鏡システムが可能にしてくれることを期待し、導入いたしました。

EVIS X1 ビデオシステムセンター OLYMPUS CV-1500
EVIS X1 ビデオシステムセンター
OLYMPUS CV-1500
経口用上部消化管ビデオスコープOLYMPUS GIF-EZ1500
経口用上部消化管ビデオスコープ
OLYMPUS GIF-EZ1500

EDOF(被写界深度拡大技術):Extended Depth of Field

近い距離と遠い距離のそれぞれに焦点が合った2つの画像を同時に取り出して合成することで、リアルタイムに焦点範囲の広い内視鏡画像を得る機能です。心臓の拍動や蠕動運動などにより、胃や腸が動いている状況でも焦点を合わせやすくなります。検査時間を短縮でき、きれいな写真を撮影することが可能となります。

RDI(赤色光観察):Red Dichromatic Imaging

緑・アンバー・赤の3色の特定の波長の光を照射することで、より深い組織のコントラストを形成する、新たな画像強調観察技術です。検査・治療中の出血ために見えにくくなって処置が困難になるケースがあります。 このRDI観察により、出血点が見やすくなり止血処置が容易になります。

TXI(構造色彩強調機能):Texture and Color Enhancement Imaging

通常の検査における粘膜表面の「構造(表面の凹凸など)」「色調」「明るさ」の3つの要素を最適化する画像技術です。 通常では見にくい色の変化や凹凸がTXIにより強調され、病変を見つけやすくなります。

NBI(狭帯域光観察):Narrow Band Imaging

血液中のヘモグロビンに強く吸収される紫(415nm)と緑(540nm)の特定の波長の光を照射することで、粘膜表層の毛細血管や微細構造が強調表示されるオリンパス社独自の光デジタル法による画像強調観察機能です。これにより、がんなどの病変の早期発見に寄与します。また、拡大観察を併用することで、病変の悪性度や範囲などのより高精度な観察をサポートします。


苦痛の少ない内視鏡検査

胃カメラで苦しい思いをした経験はありませんか?ファイバースコープを飲み込むときのオエッとなる気持ち悪さが、一番の苦しいところではないでしょうか。当院ではその苦しさをなくすために工夫を行っております。当院では経口(口から挿入する)胃カメラ、経鼻(鼻から挿入する)胃カメラの2種類を採用しており、また、鎮静剤の使用も可能です。 鼻から胃カメラをするか、鎮静剤を使用して口から胃カメラをするかをお選びいただきますが、過去に苦しい思いをしてトラウマになっているなど不安な方には鎮静剤を使用して鼻から胃カメラをすることも可能です。

鼻からの胃カメラを検討されている方

経鼻の胃カメラはGIF-1200Nという機種で5.4~5.8mm径です。経口の胃カメラはGIF-EZ1500という機種で9.6~9.9mm径ですので、経鼻の胃カメラのほうがほぼ半分の太さになります。 細い経鼻の胃カメラの方がのどを通って食道に入るときの違和感は少ないのですが、舌の奥に触れない経路で挿入をしますので、より楽に飲み込むことができます。

以前は画像の鮮明さで経鼻の胃カメラが劣っていたのですが、当院ではオリンパス社製の最新のファイバースコープを使用しており、画像の鮮明さに差がなくなってきました。 また、4Kモニターを採用しておりますので、かなり鮮明な画像で観察ができます。経鼻の胃カメラでは検査中に会話ができますので、疑問に思うことなどがありましたら検査中にお話しください。 どうしても鼻を通過しない方もおられます。無理に挿入しようとすると鼻出血してしまいますので、その場合は経鼻用のファイバースコープのまま経口に変更します。カメラが細いので口からでも苦痛は軽いですが、心配な方は鎮静剤をあとから追加することも可能です。

鎮静剤を使用して口からの胃カメラを検討されている方

当院の経口の胃カメラには拡大観察機能というものがついています。これにより粘膜の表面を細かく観察することができますので、悪性腫瘍が疑われたときでも観察するだけである程度の診断が可能になります。そのため、生検(細胞を鉗子で採取し、病理組織を調べます)をしなくて済むことがあります。  鎮静剤としてジアゼパム(セルシン®)、ミタゾラム(ドルミカム®)、塩酸ペチジン等を使用しております。これにより口からの胃カメラでも苦痛がほとんどない検査が可能です。

デメリットとして、呼吸が弱くなる、酸素飽和度が下がる、心拍数が下がる、などがあります。 以前に鎮静剤を使用した際に気分が悪くなるなど調子が悪くなったことがある方、腎障害・肝障害等を指摘されている方、ご高齢の方で送迎していただける方がいない、などケースで鎮静剤の使用を少なめにする、あるいは控えさせていただくこともありますのでご了承ください。

鎮静剤を使用しました後は安全のため1時間ほど回復室にてお休みいただきます。送迎のある方やご近所の方などはお休みする時間を短くしていただいてもかまいません。 遠方より車でお越しの方、検査の後すぐに帰らないといけない方、検査の後に会議など重要なお仕事を控えておられる方は、鎮静剤を使用しない方がよいかもしれません。

鼻からの胃カメラをお勧めしたい方

遠方より車でお越しの方、検査の後すぐに帰らないといけない方、検査の後に会議など重要なお仕事を控えておられる方、鎮静剤が効きにくい方、腎機能や肝機能に障害がある方など

鎮静剤を使用して口からの胃カメラをお勧めしたい方

過去に胃カメラが苦しくてトラウマになっている方、ゆっくりお時間のある方、送迎がある方、よりきれいな画像で検査を希望される方、喉の表面麻酔(キシロカイン®)のアレルギーがある方など

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